• 2014.10.2

バス運転士特有の「中休(中憩)」勤務とは?

 

路線バスが多く運行される時間帯は通勤通学客で混雑する朝夕です。当然、この時間帯は運行される便数も多いので運転士の需要も高まります。しかし、一人の運転士を朝夕両方のラッシュに乗務させようと一日拘束にすると、長時間勤務になり勤怠管理やコスト面で問題が生じてきます。そのため、路線バスを運行する事業者の多くは「中休」という勤怠方法を採用しています。

恐らく「中休という用語をはじめて聞いた」という方が多いのではないでしょうか。「中抜け」「中憩」などとも呼ばれるこの勤務を一口で説明すると、「出勤は朝夕のみで、お昼は休み」という勤務スタイルになります。ここで言う休みとは休憩ではなく一旦退勤して勤務から解放される状態のことです。そのため、帰宅する・遊びに行く・買い物に行くなど運転士の自由なのですが、夕方再び出勤するため時間の管理は大切になります。

この中休のメリットはピーク時に多くの運転士を充当できるという運用面の他、病院・銀行・役所など所用に対応できるという運転士側のメリットもあります。しかし、現実は好意的に受け取られることは少ないように感じます。

その理由のひとつは朝早い出勤時間・夜遅い退勤時間の組み合わせになるため、翌日までの休息が十分に取れない可能性が高いことが挙げられます。お昼に数時間の休憩があったとしても「寝貯め」できるわけではありませんし、「夕方から再び出勤する」という精神的な拘束が生じることから、体調のリズムが整えられず苦労する運転士もいるようです。

 また、家庭では「子供が起きる前に出勤、子供が寝た後に帰宅」となることも多いため、ライフスタイルになじまず離職する運転士も多くいるのが現実です。もちろん、勤務スタイルを気にしない運転士もいますが個人的には少数派に見受けられます。

中休勤務の説明

さて、ここで気になるのが「給料」です。

上図で触れていますが中休で勤務から解放される時間は拘束時間ではありませんので、給与の支払い対象外となります。つまり、「朝と夕方の勤務をして、サラリーマン一日分の給料になる」ということです。さらに、お昼は自由時間と言えども精神的には会社に拘束されていますし、帰宅するにしても通勤2回となりますから給料と比較すると割に合わないという印象です。

もちろん、この問題は以前から存在してきたわけなので事業者側も、「中休手当」という形で給料を上積みする方法や、中休勤務が連続または過多にならないようシフトを調整するなど対策を施しています。しかし、業界で問題となっている運転士不足が解決しないことには、中休勤務解消にはつながらないので問題の根は深いとも言えます。

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