• 2014.11.26

「路線バスの民営化を徹底せよ!」と言われても…

「路線バスの民営化を徹底せよ!」なんて記事が出ていたので気になって読んでみました。読んでみると確かに納得できる部分と、今のバス事業を取り巻く環境ではちょっと難しいのではないかと思える記事でしたので、まずは紹介してみようと思います。

▼以下引用

地域の路線バスは、昭和40年代から輸送人員の減少が長く続き、衰退産業の典型と見られてきた。実際、多くの公営バスが赤字を税金で補填しているのが実態だ。しかし、高齢化と自動車普及の飽和、環境問題の重要性の向上で地方におけるバスの役割は変わってきている。

実際、株式会社経営共創基盤は、傘下のみちのりホールディングスを通じて、地方の路線バス会社を次々に買収、再生させている。福島交通、茨城交通、岩手県北バス、関東自動車、会津バスなどを買収し、利益を拡大させているのだ。

その他にも、埼玉のイーグルバスも、他社路線バスを買収して事業を拡大している。

これらの事例に共通するのは、経営改革だ。住民へのアンケートの実施によるバス停の位置やダイヤの合理化、GPSやIT活用による路線バス運営の見える化、幹線路線は大型バス・支線は小型バスでつなぐハブ&スポーク方式や住民からのニーズでバスを発着させるデマンドバスの導入など、経営改革次第で衰退産業と見られがちな路線バス産業でも収益を上げ、地域住民の移動権を維持することは可能なのだ。

したがって、地域の路線バスに関しても、公営バスの民営化の徹底、民間路線バス会社の補助金依存からの脱却を進め、民営化のメリットを日本全国に広く行き渡らせるべきだ。

大都市である大阪市でも、橋下市長の公約の市営バス、市営地下鉄の民営化が議会の反対で停滞しているようだが、高齢化社会における地域住民の移動手段・移動権は、税金投入ではなく、民営化による経営改革で確保すべきだ。

(引用:【100の行動 その59】財政に頼らない民間主導による交通インフラ投資を!国土交通3/堀義人)

いかがですか?

まず、共感できる部分としては経営改革(サービス面)ですね。

前から書いていることなのですが、路線バスと言えば学生・高齢者・通勤客の利用が主と思われがちです。しかし、路線によっては外国人の利用が日本人を上回ることもあります。しかし、外国人が多い路線でもバス停の表記や車内放送は日本語のみ。当然、運転士が質問を受けることになりますが、不慣れな英語で対応するのもかなりのタイムロスですし乗客もさぞ不便に感じることでしょう。

他には、他路線との乗り継ぎ。「あと、数分早ければ、他の路線と乗り継げるのに…」と、乗客である高齢者の男性から嫌味ではなく困った感じで言われたことがあります。確かに乗継路線はその便を逃すと1時間待ちの路線なので「ダイヤを組む人が少し考えれば利便性も向上するのに」なんて新人ながらに偉そうなことを感じたこともあります。(もちろん、ダイヤを組む側にも事情はあるでしょうが…)

このように経営改革とは言わないまでも細かなサービスに関しては納得できる部分が多いですね。しかし、現状としては地域のバスは行政主体(コミュニティバス)に移管されつつあります。行政が主体である以上、提供するサービスについても事業者の勝手とは行かない部分もあるでしょうし、中核都市が含まれ採算見込みがあればればともかく、密度の低い地域で経営改革を促すのは無理があるようにも思えます。

もちろん、このままの状況(コミュニティ化)が進んでも事業者におけるサービス向上は期待薄でしょう。理由は公営バスを民営化することのメリットと真逆の考えです。まず、コミュニティバスは以前記事に書いたように随意契約・入札・プロポーザルによって事業者が選定されます。

(リンク:コミュニティバスの運転士は将来安定した仕事ではありません

しかし、その路線を将来的に同じ事業者が運行する保証はないですし、さらに税金で補助されるため事業者としては着実に運行していれば問題はないわけです。要するにコミュニティバスについては「ことなかれ化」が進むと思われるからです。

そのあたりが「民間路線バス会社の補助金依存」という一文で表現されているように感じますが、後には引き返せない状況まで進んでいますし、運転士不足などの問題もありますから、そう単純に解決できるものでもないでしょう。中負担中福祉の日本だけに路線バスのサービスも将来的に「中」で収まるような気がします。

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