• 2014.12.5

LED方向幕になっても誤乗が多い理由とは?

最近の路線バスは方向幕がLED化に変わりつつあるので”幕”を見る機会がすっかり減ったように感じます。以前、このサイトでもLED方向幕について記事にしたことがあるのですが、”ファン”の方から言わせると普段見ることができない方向幕を見たときの感動を味わう機会が無くなるわけですからLED化を寂しがる声も理解できます。

過去リンク:LED行き先表示板。画数の多い文字はどうやって表示するの?

ファンでなくても地元の廃止された系統の方向幕を見かけると「こんな路線もあったなぁ」と懐かしさを感じることもありますから、そういう意味では私もLED化を寂しい気持ちで見届けている一人かもしれません。

しかし、バス運転士から言うと設定機にセットした瞬間にパッと方向幕を表示してくれるので、着発での折り返しは非常に重宝しています。それに車内放送や整理券とも連動してくれているので、設定を間違えない限り方向幕の誤掲出を心配する必要もありません。冒頭の話と真逆になりますが「全車LED化して欲しい!」と内心思っていますね。

そんな運転士から評判のLED方向幕ですが、最近「活用しきれていない」と感じることが多いので少々解説していこうと思います。

活用しきれていないと感じたのはあるターミナルでのことです。

普通、バスターミナルと聞くと起点(始発・終点)と感じる方も多いと思いますが、その路線はターミナルが起点ではなく、中間にあるバス停のひとつに過ぎません。当然、わずかな停車時間で乗降が行われるので乗客の動きも慌ただしくなります。

「慌てているとロクなことが無い」と言いますが、実はそのバス停では誤乗が多発してるんです。と言うより、私が誤乗が多いと思っているだけかもしれませんが、反対方向のバスと勘違いする人が一日一人はいるような感じです。

最初は「バス停の案内がわかりにくいのか?」と考えていたのですが、ふと転回場で方向幕を見て気が付いたのが経由地表示です。

路線バスは同じ行先であっても経由地(系統)が色々あるので方向幕に経由地を表示する習慣があります。ただ、この経由地表示が曲者(くせもの)だったのです。

例えば下図で説明しましょう。

方向幕経由地誤乗例

みなさんは病院に行くために名古屋駅からバスに乗ろうとしたとき、上図のような方向幕を出したバスが来たら乗りますか? もし、地元の人で路線図が頭の中に入っていれば瞬時に「行かない!」とわかるでしょうが、不慣れな人であれば経由地に「病院前」の文字が入っているので乗ってしまうと思います。

しかし、始発のバス停から乗ることを基準に表示されている方向幕で終始運行するのではなく、瞬時に表示を変えることができるLEDの利点を利用して通過した経由地は消してしまえば誤乗は無くなると思いませんか?

方向幕経由地

上図のように通過した経由地は消してしまえば「病院前に行くのか? 行かないか?」という疑問は乗車時に残るものの、少なくても方向幕が原因による誤乗は防ぐことが可能だと思います。さらに、外国人が多い路線であれば日本語・英語など交互に表示すること(駅にある行き先案内板のように)も可能なわけです。

もちろん、運転士になって2年目の私がふと思うくらいなので、実際に通過した経由地を消したり、新たな経由地を表示するなど車内放送と連動してリアルタイムに表示を切り替えることを行っている事業者もありますが、すべての事業者ではありません。

サービスはソフト(運転士)が大切なのも理解できますが、このようなハード(LED方向幕などの設備)との相乗効果から向上が図れることだと思いますから、もし、そういう機能が搭載されているにも関わらず使っていないのであれば、事務方おける”サービスの怠慢”とも言えるかもしれません。もっと言えば、運転士の業務をバックアップできていないのにサービス向上を一方的に要求するのも理不尽な話のように感じますね。

ちなみに、私の場合は装置に関係なく「このバスは市役所行です。病院前には行きませんのでご注意ください」とアナウンスをしてからドアを閉めるようにしていますよ。

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