• 2014.12.13

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が人気な理由を運転士目線で考えてみた

路線バスに興味のある人なら絶対に『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)はご存知ですよね?

太川陽介さんと蛭子能収さんにマドンナ(女性ゲスト)を迎えて3泊4日で目的地を目指す路線バスの旅です。知らない方のために簡単に番組のコンセプトを解説すると…

・路線バスを乗り継いで3泊4日で目的地への到達を目指す
・タクシーや電車は使用禁止、バスがなければ歩く
・高速バスも原則利用できない
・携帯やスマホで情報を調べてはいけない

というものです。

番組を見るたびに、「もし、自分が運転しているバスに乗って来たらどうしよう!?」なんてことを考えたことがありましたが、私の地元愛知県は第14弾(名古屋駅から能登半島・禄剛埼灯台)で登場していますので乗ってくる可能性は当分なさそうです(笑)

さて、なんとも単純なコンセプト(と言うと失礼かもしれないですが)のローカル路線バス乗り継ぎの旅ですが、毎回、視聴率10%を超える人気番組としても知られており、他の民放各局は戦々恐々としていることが度々話題に上がります。確かに、出演しているのが太川さんと蛭子と女性ゲストの3人だけですし、なによりメインとなるバス運賃も最大25,220円(第10弾)ですから非常に低コストな感じがします。低コストで高視聴率となれば戦々恐々とするのもうなずけますね。

それにしても、いわゆる「乗り鉄」のような番組がなぜ人気なのでしょう? 今回はその背景を運転士目線で考えてみました。

一つ目は「風景の移り変わり(スピード感)」です。今の旅行は新幹線・高速バス・マイカーなど速達性が重視されています。目的地を急ぐ人にはありがたい話ですが、その一方で移動中の風景は一瞬にして通り過ぎてしまいますので、目的地に到着するまでの風景の移り変わり(ストーリー)をゆっくり楽しむことはできません。新幹線で移動すると「目的地に着いた!」という感動より「あっ、もう着いたの!?」という少しドライな感覚を感じることがありますよね。恐らく「肌で感じる」という旅の醍醐味を演出している点が一つ目のポイントのように感じます。

二つ目は「情報化社会からの隔離」です。この番組にある”携帯・スマホでの情報収集の禁止”というルール。1995年のWindows95登場によりインターネット環境が急速に普及しましたが、それまでは時刻表をパラパラめくり紙に書き写すのが主流でしたね。旅行の行程を組み立てるのも旅の醍醐味ですが、そんな昔ながらの旅を再現しているのもポイントのひとつなのでしょう。

そして三つ目は「ハラハラ感」です。やっぱり、「本当に乗り継げるのか?」「宿は確保できるか?」など、どこかハラハラさせる展開も見どころの一つなのでしょうね。既に出発したバスに全力疾走で追いついたり、反対方向のバスに乗りそうになったところを地元の人に止められたりと、時折見せるハプニングのもポイントでしょうね。

私なりにはこの三つをポイントと分析しているのですが、先程も書いたように新幹線やスマホなどのインフラ整備が進んだことによって”旅”のかたちも大きく変化しました。

失礼な言い方かもしれませんが、「昔の旅行では当たり前のことだったことをやっている番組」に人気が集まるのは、旅の変化で置き去りにされた「肌で感じる旅」という醍醐味に再び世間の感心が集まっている事への表れなのかもしれません。恐らく、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」や、近鉄の観光特急「しまかぜ」のように観光列車が見直されているのもこのような背景があるのかもしれません。

そんな肌で感じる旅を味わわせる「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」、次回第19弾は2015年1月3日(土)に放送されるそうです。過去の成績は成功13回、失敗5回ですが、今回はどのような結末になるのでしょうね。

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