• 2015.1.11

水素で走る豊田市の燃料電池バス(FCバス)とは?

2015新春、トヨタ自動車と日野自動車から新技術を搭載した路線バスを営業運転に提供することが発表されました。

路線バスをはじめ交通機関の燃料と言えば、木炭・石炭・軽油・天然ガスなど時代とともに変化してきましたが、今回登場した新燃料は「水素」です。まずは、関連記事を読んでみましょう。

▼以下、引用

トヨタ自動車と日野自動車は8日、新しい燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を搭載した燃料電池バス(FCバス)を開発し、9日から豊田市内を走る路線バス「とよたおいでんバス」の営業運行向けに提供すると発表した。

TFCSは、燃料電池技術とハイブリッド技術を融合させ、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」向けに開発したシステム。今回のFCバスには、出力を高めるためにFCスタック及びモーターなどを2個搭載するほか、高圧水素タンクを8本搭載している。外部電源供給(V2H)システムは、2013年11月より開始した実証試験等の結果を活かして改良が行われており、燃料となる水素の充填はNEDO事業として「とよたエコフルタウン水素ステーション」を使用する。

(マイナビニュース 2015.1.8)

さて、他のメディアでもこのニュースは大々的に伝えられているのですが、正直、「TFCSを搭載した燃料電池バスって何?」と感じる方も多いと思います。私も愛知万博以来、街中では見かけていませんでしたので全く無知の状態でした。

しかし、TOYOTA「MIRAI」の登場など水素燃料に注目が集りつつあるので、今回は路線バス運転士としての勉強ついでに燃料電池バスについての記事を書いてみようと思います。

まず、路線バスや車の動力と言えば、エンジン内でガソリンや軽油を爆発させることに得られる動力が一般的に知られていますので、今回の水素燃料も「水素をエンジン内で爆発させるのか?」と思われる方も多いはず。しかし、TFCSとは「水素から電気を作り、その電力で原動力となるモーターを動かす」というものです。TOYOTAの解説ページをもとに作った概略図で説明しましょう。

トヨタ新燃料路線バスTFCSのイメージ

原料となる水素と酸素をFCスタックと呼ばれる装置で化学反応させて発電します。そして、動力となるモーターやバッテリーに送電されバスが動くと言う仕組みです。さらに原料となる水素は水こそ排出するものの、ガソリンや軽油のように二酸化炭素を排出しませんので非常にクリーンで静かなエネルギーとしても注目されています。

つまり、バス自体が発電所としての機能を有しているわけですね。そのため、災害などの非常時にはバスを発電所(外部電力供給場所)として活用することも視野に入れているそうです。

さて、このように燃料電池バス導入のメリットが大きいように感じますが、なぜ、より多くの人に燃料電池バスの存在を知ってもらえる観光バスではなく路線バスでの実証となったのでしょう?

それは、燃料電池バスの原料となる水素を補充するスタンド(水素ステーション)などのインフラ整備が整っていないからと言われています。

もちろん、本格的に導入されれば徐々に広がりを見せるとは思いますが、未だバスでは実証段階であるため、走行距離・稼働時間・燃料の補充先に見通しが立つ路線バスに導入して実証を行うようです。

実際、今回の燃料電池バス導入について豊田市のHP(リンク)で確認したところ、運行ダイヤや運行日が固定されていましたので、やはり、インフラ整備などの課題があるようです。

既に自動車ではTOYOTA「MIRAI」が2014年12月に発売され、今回の燃料電池バス(HINO)は2016年の販売に向けて準備を進めています。さらにドイツダイムラーでは2020年を目安に燃料電池バスを日本で販売するとの情報もありますから、これから数年で自動車を取り巻く燃料構造が大きくかわるかもしれないですね。

一説にはガソリンや軽油と燃費(燃料代)は変わらないと言われる水素。果たして路線バスでの普及はどのようになるのか、さらに水素燃料がどこまで普及するのか、その行方に注目が集まります。

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