• 2015.2.17

フェイントクローズにドアカット、扉操作には気を使います

路線バス運転士はメインである「運転」の他にも、ドア操作・アナウンス・回数券の販売・領収書の発行・遅延証明の発行・両替など多くのことを一人で行わなければなりません。もっとも、慣れてしまえば自分の運転リズムに溶け込んでしまうので安全確認も含めて苦にならないのですが、それでも新人の頃は要領がつかめず苦労したものです。

さて、この中でもドア操作については一番頻度が高い操作になります。安全システムが搭載されているとはいえ、一歩誤れば「扉挟み」や「ドアの閉め忘れによる誤出発」など危険が伴いますので思った以上に神経を使います。そんなドア操作について隠されたテクニックがありますので今回は私なりのテクニックも含めて紹介したいと思います。

(1)フェイントクローズ

普通、ドアスイッチを閉にするとドアが閉まりますが、閉まりかけそうなドアをすぐに開けて再び閉めることです。よく利用客が多い鉄道で見られる光景ですね。「フェイントクローズ」自体はネットユーザーで広まっている名称なので正式名称はわかりませんが、このフェイントクローズの意図は、ドアが閉まり出す直前の挙動(プシューという駆動音やドアチャイム)によって「ドアが閉まるよ」とアナウンスやベルに加え注意を喚起しているのです。

路線バスの多くはドアにセンサーが取り付けられていますので鉄道よりは扉事故が少ないように感じられますが、それでも乗客は鉄道顔負けのスピードで駆け込んでくることもありますし、他系統のバスに乗ると思っていた乗客が急に心変わりして飛び乗ってくることもあるので神経を使います。このため、乗客が多いバス停ではドアスイッチを一瞬だけ閉位置にして意図的にチャイムを鳴らして注意を促したりします。

(2)降車完了後乗車用ドアを開ける

バス停停車時、前扉(降車)と中扉(乗車)を同時に開けてしまうと停車中の車内はごちゃごちゃしてしまいます。また、降りようとした人が乗車してきた人に巻き込まれ降車口にたどり着けないことを防ぐために、基本的には降車が完了してから乗車用の扉を開けます。ただ、この方法は乗降がスムーズになる反面、ロスタイムが多くなり他の交通にも影響しますので利用客が少ないときは同時に開けるなど臨機応変に対応しています。

(3)ドアカット

「ドアカット」という言葉は鉄道用語で冬場など保温効果を高めるために長時間停車時は一部のドアを除き締切扱いにすることを言います。路線バスのドアは前扉と中扉2つしかありませんのでドアカットと言うとニュアンスが異なるかもしれませんが、始発のバス停など長時間停車するときは一旦ドアを閉めることもあります。

ただ、閉めたときは乗客が来ないかミラーを常に注視しなければいけませんし、「出発時間前にドアを閉められた」と勘違いする乗客がいるかもしれませんので、正直、ドアカットをする運転士の率は少ないような気がします。

と、事業者によって方針は異なりますので一概にいませんが、このようなテクニックや配慮を織り交ぜつつバスを運行させていますので、なかなか運転士も大変なんですよ。

LINEで送る
Pocket

関連記事

人気記事ランキング

新ブログの更新情報

ページ上部へ戻る